今月の言葉は

 「 水のこころ
          高田敏子
水は つかめません
水は すくうのです
指をぴったりつけて
そおっと 大切に──

水は つかめません
水は つつむのです
二つの手の中に
そおっと 大切に──

水のこころ も
人のこころ も」
              
です。

6月になりました。
緊急事態宣言が解除され、少しずつですが
以前の生活に戻ってきていますでしょうか。
浮かれず慎重に行動しながら経済活動をする。
なかなか難しいですね。

さて、高田敏子さんの詩「水のこころ」
を今月の言葉とさせていただきました。

今回のコロナウイルスの影響で
たくさんの方が亡くなり、
たくさんの方がとてもつらい状況にあります。

そんな中で、つらい状況にある方々に
心もとない言葉を投げかける人がいる
というニュースを耳にします。

人の心は水と同じでつかむことはできません。

「つかむ」は強引さ
「すくう」・「つつむ」は優しさを感じます。
それは、主体が自分か相手かの
違いだと思います。

また、水と心を扱う動詞に
「汲み取る」があります。

昔の方は、水と心を同じように
捉えていたのでしょう。

誰に対しても、相手の心を思い、優しく
「すくい」、「つつみ」、「汲み取り」
接していきたいですね。